ラブアン法人取締役の個人所得税について

ラブアン法人に勤務されている全ての取締役及び従業員の皆さまは、前暦年に獲得した給与所得に対し、マレーシア内国歳入庁(IRB)に個人所得税の申告書を提出していただく必要があります。

なお、申告期限は4月30日までとなっておりますので十分ご注意ください。

個人所得税申告書の未提出があった場合、今後の就労ビザの更新に影響を与えます。
個人所得税申告書の提出が遅延した場合、内国歳入庁によってペナルティが課されます。

※2015年2月、就労ビザの申請要件が改正されたことにより、「マレーシア居住者」及び「2015年のマレーシア滞在日数が182日以上の非居住者の方」は2016年4月の確定申告より所得税の支払いが必要となります。


【税務上の居住者・非居住者の定義】
税務上の居住者・非居住者の定義については以下のとおりです。

居住者 マレーシア滞在日数が182日以上の場合
非居住者 マレーシア滞在日数が182日未満の場合

マレーシアの所得税法では、市民権や国籍に関わらず、前暦年にマレーシア滞在日数が182日以上の場合は税務上の居住者、前暦年にマレーシア滞在日数が182日未満の場合は税務上の非居住者となります。


【ラブアン就労ビザ申請の追加要件】
2015年2月の制度改正により、ラブアン就労ビザの取得に関する要件が新たに追加されました(※詳しくは「就労ビザの申請要件について2.を参照ください)。

追加要件5-4.により、「取締役の給料を月額10,000RM以上に規定すること」とされました。

所得の種類 属性 租税優遇措置
 取締役の個人所得 給与所得 国内源泉所得 50%が免税
役員報酬 国外源泉所得 全額非課税

これまで役員報酬として受け取ることにより非課税特権を享受できたラブアン法人の個人所得でしたが、追加された就労ビザの申請要件では「Director Fee=役員報酬」ではなく「Salary=雇用者として受け取る給料」として月額1万リンギットと規定されてしまったため、これからは年間12万リンギットまでは所得税が課税されることになります(50%が免税となるため、実際には6万リンギットが課税対象となり、4,000RM/年が所得税として最低限課税されます)。

例:月額10,000リンギットに対する課税金額
 ・給与所得額 : 10,000RM * 12ヶ月 = 120,000RM/年・課税対象額 : 120,000RM * 50% (免税)  = 60,000RM/年

①50,000RMに対する課税額 → 2,400RM

②10,000RMに対する課税額 → 1,600RM

→ ① + ② = 4,000RM/年

※1リンギット≒30円換算で約12万円程度となります。

(参考:「Inland Revenue Board Of Malaysia」)

なお、ラブアン就労ビザによってマレーシア居住者となる場合、年額12万リンギットを超える収入につきましては、従来どおり役員報酬として受け取ることにより非課税扱いとなります(例:日本円で年収1,000万円の方であれば、所得税が4,000RM(約12万円)となりますので、実行税率はわずか1.2%程度となります)。

上限税額に対して、収入が増えるほど所得税の実行税率が低減していくため、ラブアン就労ビザを活用してマレーシア居住者となる方は税制上のメリットを最大限に享受することが可能となります。

当制度は2015暦年の給与所得から適用されるため、2016年4月の確定申告から納税の義務が生じます。

2017年3月のルール改正により、月額10,000リンギットのうち、3,000リンギットを役員報酬(非課税)として計上できるようになったため、実質的に給与所得は7,000リンギットとして計上できることになりました。


【居住者・非居住者の課税方法】
マレーシア居住者・非居住者の課税方法は以下のとおりです。

1. 【ラブアン就労ビザを保有し、かつマレーシア居住者の場合】 → Form BEを提出
  • 最低支払額として4,000RMの支払いが必要
  • ※月額給与10,000リンギットに設定した場合
2. 【ラブアン就労ビザを保有し、かつマレーシア非居住者の場合】 → Form Mを提出
  • 金額に関わらず受取給与額の一律28%の支払いが必要
3. 【ラブアン就労ビザを保有せず、かつマレーシア居住者の場合】 → Form 提出不要
  • 該当者無[※1]
4. 【ラブアン就労ビザを保有せず、かつマレーシア非居住者の場合】 → Form 提出不要
  • 非課税(全額「役員報酬」として受取が可能)
  • ※居住国の税法によって課税される可能性があります
  • 非課税(全額「役員報酬」として受取が可能)
  • ※居住国の税法によって課税される可能性があります

※1 3.の条件に該当する方は一般的に「マレーシアの市民権を有する人物 ≒ マレーシア国民」と考えられます。この条件に該当する外国人としては、MM2Hビザ・扶養者ビザ・学生ビザ等を保有されている方が該当しますが、これらは就労ビザではないためマレーシア国内での就労は許可されていません[※2]。就労を許可されていない以上、給料(国内源泉所得)を受け取るケースは有り得ないため[※3]、税務申告用紙の提出も当然不要となります(正確に言えば、提出すること自体に矛盾が生じることになります)。なお、ビザを保有していない場合、1回の入国につき滞在可能日数は最長90日まで、年間合計で最長180日までとなっているため、マレーシア居住者にはなり得ません(この場合の「年間」とは、暦年換算ではなく通算365日以内という解釈になります。特に、3回目の入国では入国審査が厳しくなる3アウトルールが適用されますので十分ご注意ください)

※2 ラブアン就労ビザは「ラブアン島内」において、「ラブアン法人で就労」するための特殊なビザであるため、マレーシア国内での就労は「原則的に禁止」されています。

※3 役員報酬(国外源泉所得)として受け取ることは可能です。

【個人所得税の税務申告方法】
個人所得税の支払いはオンラインバンキングを通して行うことが可能です。

マレーシア歳入庁の「ezHASiL」にログインし、個人所得税の納税申告書を提出することができます。

提出完了後、申告完了の画面を保存されることをお勧めします。

※マレーシア税法居住者の方は納税救済措置が適用され、上記納税額から基礎控除を受けることができます。

マレーシア居住者の納税基礎控除額
• 自身と扶養家族 9,000RMを所得から控除可能
• 両親の医療費
  • 母親:1,500RMを上限として所得から控除可能
  • 父親:1,500RMを上限として所得から控除可能

最大3,000RMを控除可能

• 書籍、雑誌、出版物の購入 1,000RMを上限として所得から控除可能
• パソコンを購入 3,000RMを上限として所得から控除可能

※3年に1回のみ可能

• 夫/妻/扶養家族の支払い 4,000RMを上限として所得から控除可能
• 18歳以上の未婚の子供で、フルタイムの教育を受けている 2,000RMを上限として所得から控除可能
その他はリンク先をご確認ください(参考:マレーシア内国歳入庁「Tax Relief for Resident Individual」)。

証拠となる領収書は保管し、弊社と顧問契約を締結されているお客様は期限までに弊社へ提出していただくようお願いいたします

弊社と顧問契約を締結されているお客様は弊社側で対応します。それ以外のお客様で対応を希望される場合は別途料金がかかりますがサポート対応可能です

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