ラブアン法人の概要

ラブアン法人の概要は以下のとおりです。

資本金 使用可能通貨 マレーシアリンギット以外のすべての外貨
標準使用通貨 USドル
最低資本金 1USドル
授権資本 N/A
取締役 最低人数 1名
法人取締役 可能
居住取締役 不要
取締役情報の開示 非公開
その他 株主と同一人物でも可能
就労ビザでマレーシア本土への移住が可能
株主 最低人数 1名
無記名株式 不可
法人株主 可能
居住株主 不要
株主総会の開催地 どこでも可能
株主総会の開催数 年度ごとに最低1回
株主情報の開示 非公開
その他 取締役と同一人物でも可能
秘書役(カンパニーセクレタリー) 最低人数 1名
要件 ラブアンの信託会社又はラブアン居住者であること
 登録事務所 要件 原則としてラブアン信託会社のオフィスであること
会計監査記録 ラブアン内に保管すること
 会社情報の開示 非公開(ただし、ライセンス企業は開示対象)
その他 営業所の設置は不要
 年次要件 年次報告書 該当年度の法人設立日から遅くとも30日以内に提出が必要
行政サービス料の支払い 該当年度の法人設立日までに支払いが必要
確定申告 該当年度の3月31日までに提出が必要
課税制度 商業活動を行うラブアン法人 会計監査済純利益の3%又は一律2万リンギット(後者を選択した場合、Auditorによる会計監査は不要)
商業活動を行わないラブアン法人 0%(非課税)
両方の活動を行うラブアン法人 会計監査済純利益の3%又は一律2万リンギット(後者を選択した場合、Auditorによる会計監査は不要)
その他 インカムゲインが非課税扱い
キャピタルゲインが非課税扱い
印紙税が非課税扱い
その他 法体系 英国コモンローに準拠
租税条約の締結 マレーシア本土と締結(約80ヶ国へ間接適用)
為替管理規制 適用外

ラブアン法人は、1990年に制定されたラブアン法人法に準拠して設立された会社、またはマレーシア国外で設立した会社を同法により外国法人として登録された会社を指し、法令に準拠した事業活動を行うために、ラブアン信託会社(Trust Company)のサービスを利用しなければならないと定められています。

ラブアン法人には、最低資本金制度もなく、1人株主、1人役員も可能ですが(非居住者でも可)、秘書(Company Secretary)の雇用が義務付けられています。日本の企業ではあまり馴染みがない制度ですが、カンパニーセクレタリーとは「法人登記に関する書類の作成・保管、株主総会や取締役会の議事録を作成する役職」を意味します。日本でいえば、公認会計士や司法書士のイメージに近く、ラブアン法人の場合、信託会社がカンパニーセクレタリー業務を行うことになっています。

ラブアン法人の多くは有限責任会社[※1]として設立されますが、無記名株式(株主名が記載されない株券)は認められていません。

税率については、会計監査済み所得の3%もしくは一律2万リンギット(≒60万円、1リンギット30円換算)かのいずれかを選択できます。純利益の3%の納税方法を選択した場合、監査された会計書類を税務当局に提出する必要がありますが、2万リンギットの納税方法を選択した場合、会計帳簿の監査義務は免除されます。

会計監査はラブアンオフショア金融センター(LOFSA)が公認した監査人(Auditor)によって行われ、会計帳簿の監査を必要とするか否かについては、納税方法の選択によって決定されます。なお、決算月は12月末が年度末となり、翌年3月末までに申告及び納税を行う必要があります(ラブアン法人は、決算月を任意で設定することはできません)。

取締役会の議事録は登記住所[※2]において保管する必要がありますが、電話やFAX、電子メール等による株主総会や取締役会の開催も有効とされているため、電話での参加、書面決議はファックスや電子メールの回覧も可能となっています。

また、ラブアン法人の登記住所はラブアン信託会社の事務所に所在するものと定められているため、設立されたラブアン法人の登記住所はラブアン信託会社の住所を利用することになります。なお、会計監査の記録はラブアン内に保管しなければならないと定められています。

※1  有限責任会社の表記として会社名の後には、「インコーポレーテッド(Inc.)」、「リミテッド(Limited.)」、「コーポレートリミテッド(Co., Ltd.)」などを付ける必要があります。

※2  ラブアン法人には大きく分けて2つの住所概念が存在します。ひとつは本店所在地である登録住所(Resistered Address)、もうひとつは営業所であるビジネスアドレス(Business Address)です[※3]。なお、ラブアン法人設立については、ビジネスオフィスの設置は任意となっており、必ずしも設置する必要はありません(2015年8月現在)。

※3 ラブアン法人法ではマネジメントオフィス(Management Office)という名称が使われます。

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