リバランスとモニタリング

インデックスファンドは投資初心者の方にとって、非常に優れた金融商品であるといえます。インデックスファンドを活用することにより、投資家はご自身の運用目的や長期投資方針といった最重要課題にだけ専念すればよく、費用対効果が非常に優れているからです。

投資家の皆さまは、以下にご紹介するリバランス・モニタリングといったメンテナンス作業を定期的に実施していただくようお願いいたします。


 

【リバランスとモニタリング】

運用を開始してから一定期間が経過すると、それぞれの商品が別々の値動きをし始め、当初設定したポートフォリオから構成比率が変化していきます。

このように運用資産の配分が、目標とする資産配分から乖離した分を一定の期間ごとに是正していく作業をリバランス(再調整)といいます。

リバランスの役割 高くなった商品を売る(値上がりして最初の構成比率よりも大きくなったものを減らす)
安くなった商品を買う(値下がりして最初の構成比率よりも小さくなったものを増やす)

リバランスは、「相対的に高くなったアセットクラスを売り」、これとは逆に、「安くなったアセットクラスを買う」作業となるため、逆張り型の運用戦略となります。

上昇局面が続いた商品は実質価値より割高に評価されているため、いずれ価格が下落方向に転じます。それとは反対に、下落局面が続いた商品は実質価値より割安に評価されているため、いずれ価格が上昇方向に転じます。

リバランスを実施する最大の理由は、多くの投資家が陥ってしまいがちな「割高な銘柄を買い、割安な銘柄を売る」といった、本来とは真逆の行動(最悪の行動)を取ってしまうことを防止することに他なりません。リバランスを定期的に実施することにより、資産配分が当初の構成比率から誤差が生じた際、比率の大きなものを売却し、比率が低いものを組み入れることにより、理想的な配分比率に修正することが可能となるわけです。

複利効果と時間的分散」の項目でも説明しましたが、長期にわたる運用を継続することができれば、ポートフォリオ全体のリターンは、時間の経過とともに平均収益率へと回帰していきます。このような統計的優位性に加え、リバランスを定期的に実施していけば、収益率は時間の経過とともに非常に高い精度で安定していくことになります。

安くなった商品を買い、高くなった商品を売る」。リバランスは非常にシンプルな作業ですが、運用の基本ルールが機械的に実行できることに加え、運用結果の実に80%もの多大な影響を及ぼすことになります(参考:「アセットアロケーション」)。そのため、この作業は必ず実施していただくことを強くおすすめします。

感情的な投資
  • ・注目されている割高な銘柄を買い、結果として高値掴みをしてしまう
  • ・下落相場に耐えられず損切りを実行したところ、再び上昇に転じた
機械的な投資
  • ・運用比率を調整し、割高な銘柄を機械的に処分する(リバランス)
  • ・運用比率を調整し、割安な銘柄を機械的に組み込む(リバランス)

ただし、リバランスは頻繁にやれば良いというわけではありません。

ポートフォリオの組み換えに伴う売買には、手数料などのコストがかかる点には注意が必要です。その理由は、わずかな誤差の微調整を繰り返してしまうと、取引コストのほうが高くついてしまう可能性があるからです(頻繁に銘柄の組み換えを勧めてくる営業マンがいれば手数料稼ぎ以外の何者でもありません)。

過去データの検証によれば、年1回程度のリバランスはリターンにプラスの作用をもたらすことがわかっています。運用を始めたばかりの方は、始めは3ヶ月ごとに、慣れてきたら半年ごとを目安にご自身の資産構成比率の変化をモニタリングし、初期の投資比率と現時点の構成比が2~3%程度ずれてきたときに、リバランスを実施すれば十分です。


 

【インデックス投資のメリット】

ここまでインデックスファンドを活用した投資方法について説明しましたが、最後に資産運用にインデックスを活用するメリットを再度掲載します。

投資家の多くは目先の利益を追い求めた結果、「感情的に投資をしてしまい、高値掴みをしてしまった」、「高利回りの商品に飛びつき、投資詐欺に遭ってしまった」など、欲望をコントロールできずに資産を目減りさせてしまった方が数多く見受けられます。

このような投資方法では、資産運用は確実に失敗に終わります。

資産運用の本質 高利回りで資産を殖やすこと → ×
資産を極力減らさないように、少しずつ安定して殖やすこと → 

すでに述べたとおり、資産運用において大切なことは、「資産を極力減らさないように、少しずつ安定して殖やすこと」であるといえます。そのためには、「市場の誘惑に惑わされず、機械的に運用を継続できるかどうか」に全てかかっているといっても過言ではありません。

皆さまが市場の誘惑に負けそうになった時、以下に記したインデックス投資の優位性を思い出していただき、長期に渡る資産運用を実現させてください。


相対的に高いリターンが得られる
長期的に見て、全体の80%のアクティブファンドは市場平均に勝てず、どのアクティブファンドがトップ20%なのか、事前に見極めることはほとんど不可能となっています。

インデックスファンドを保有するだけで投資のプロの80%以上の成績を出すことができます。


アクティブファンドに比べてコストが低い
インデックスファンドの運用報酬と管理費用は、年率で0.1%程度です。一般のアクティブファンドでは1~2%程度となっています。さらにインデックスファンドは年間を通してポートフォリオの1割程度しか売買されないため、取引回数が少なく、結果として売買手数料が安く抑えられます。

一方のアクティブファンドでは、毎年ポートフォリオ全体が入れ替わるため取引回数が多くなり、売買手数料が高くなります。また、インデックスファンドは複数銘柄の平均値の取引であるため、値動きが小さく、実現損益も小さいため、結果として課税額も安く抑えられます(オープンエンド型=再投資型のバランスファンドを購入すれば、リバランスを自動的に実施してくれるため、利益を確定させるまで課税タイミングを先送りすることが可能です)。


無駄な労力をかける必要がない
あまり運用実績を管理する必要がありません。

インデックスファンドは無駄な労力をかけずに市場の平均点を取っていく投資方法であるといえます。


大きな不安を感じなくてすむ
アクティブファンドのように運用機関を選択する必要がなく、どのファンドを選択してもインデックス指数にほぼ連動するように商品が設計されています。そのため、値動きの異なるインデックス商品を複数保有することで、相場動向や投資戦略を考える必要がありません。

さらにはインデックスファンド自体が、複数の商品に分散された商品であるため、特定個別銘柄・地域への投資割合も低く、株式であれば倒産リスク、債券(国債・社債)であれば国家破綻リスクや特定の会社の倒産リスクを低く抑えることができます。

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