BPOのメリットとデメリット

BPOを活用するにあたり、一般的に取り挙げられているメリットとデメリットについてご説明します。


 

BPOのメリット】 ◇ 人員のスリム化
◇ 業務品質・効率の向上
◇ 業務マネジメントの利便性向上
◇ 大規模な設備投資が不要
◇ 主力業務への集中
◇ 人員のスリム化
東南アジアなどの割安な人件費を活用した人材の再配置など、人的資源を適切に配置することによって組織体制をスリム化・最適化することができます。また、採用活動は自社ではなく委託先の専門業者が行うことになるため、採用に要するコストや時間の削減にもつながります。その結果、自社では余剰人員を抱える必要がなくなり、固定費の節約につながります。さらには、労務紛争問題や従業員の直接雇用により支払っていた社会保険料・退職金・福利厚生費などの間接労働費までも抑えることができます。
◇ 業務品質・効率の向上
外部企業の専門性を戦略的に活用することにより、業務プロセスの付加価値向上が期待できます。それまで自社で行っていた非主力部門を専門業務として行っている企業に委託してしまうことで業務の効率化、高品質化が期待できることになります。こうして、業務の集約化・標準化によって業務コストを圧縮させることができるため、固定費の節約につながります。
◇ 業務マネジメントの利便性向上
委託した業務を可視化することにより、遠隔地からでも業務マネジメントを行うことができます。専門業者にマネジメントを含めた業務プロセスそのものを委託してしまえば、現地の従業員をマネジメントする必要はなく、現地の担当者と打ち合わせをすれば何度も現地に足を運ぶ必要はありません。このように、業務を委託してしまうことによって自社でのオペレーション管理が不要となるため、マネジメントに要するコスト、時間の削減につながります。
◇ 大規模な設備投資が不要
設備投資などの費用は委託先の専門業者が行うため、設備投資が大幅に節約できることになります。通常、コールセンターや物流センターなどを海外で行うためには現地での人材確保・研修をはじめ、現地子会社の設立、銀行口座の開設、物件の契約、電話回線やインターネット回線などのインフラ設備の敷設、現地国の労働法・会社法・税法などに詳しい専門家の確保、家賃・光熱費などの支払いなどそれなりのインフラ整備が必須になります。これらの細かい作業を専門業者に委託することによって、自社で設備投資を行う必要はありません。
◇ 主力業務への集中
人材をスリム化し、業務効率化を同時に実現できたことによって、それまで経理部門や総務部門で雇用されていた人的資源を、主力業務に集中的に配置させることができます。非収益部門の業務を、外部の専門家に任せることによって、これからは自社の主力業務だけに専念することができるのです。将来の成長や競争力の源泉となる主力業務や新規事業に人的資源を集約させ、国際競争力を維持・発展させて行くことが期待できます。

 

BPOのデメリット】 ◇ 業務のコントロールが失われる
◇ 自社内の業務知識が低下する
◇ 情報流出への懸念
◇ 納品時の完成度の違い
◇ 拡張性のある業務には適さない
◇ 自社内の業務知識が低下する
作業プロセスが専門業者に移行するため、それまで自社で行っていた作業工程が完全には把握できなくなります。納品されてきたデータに間違いがなければいいのですが、万が一訂正が必要になった場合は自社で対応できなくなる可能性が大いにあります。もっとも、専門業者はダブルチェックなどで万全な予防対策を行っていることが多いため、データの入力ミスなどはほとんど発生しないと考えて差し支えないでしょう。
◇ 業務のコントロールが失われる
作業のプロセスが専門業者に移行するため、業務のコントロールが失われることになります。そのため、委託先の担当者がプロジェクト管理等、管理能力を有しているかどうかをしっかりと見極める必要があります。実務を行うスタッフの能力ももちろん大事ですが、現地の管理者のマネジメント能力が低かった場合、何度も現地国へ指導に行く必要があるため、予想以上の交通費等がかかる可能性があります。
◇ 情報流出への懸念
業務上必要とされる情報を専門業者へ開示しなければならないため、自社の情報を漏洩リスクに晒すことになります。もっとも、この問題はBPOに限らず自社内でも発生する可能性はゼロではありません。情報漏洩は、外部からのハッキング行為によるものもありますが、圧倒的に内部者によるミスが原因で起こることが多くなっています。発生確率をゼロにすることはできませんが、秘密保持契約などはしっかり行っておく必要があります。
◇ 納品時の完成度の違い
自社の求めている水準とアジア諸国などの専門業者が認識している水準が違うために、納品時の完成度に若干の誤差が生じる場合があります。特に日本企業は納品時の許容水準が非常に高いため、専門業者に委託するよりも自社で行ったほうが、かえって完成度が高くなってしまう分野もあります。自社内の水準(国産品)と第三国(輸入品)の水準は必ずしも同一ではないため、当初は単発的な発注から始め、徐々に専門業者の水準を探りながら長期委託先を選択したほうが、結果として無駄な費用や時間を節約できるかもしれません。
◇ 拡張性のある業務には適さない
現代のように企業自体がどんどん変革を求められている時代では、業務内容が常時見直され、使用されるソフトウェアも毎年のように変わっていきます。そのため、拡張性を持った分野にはBPOの活用は適さないといえます。BPOの活用は非収益部門のなかでも、人事・総務・給与計算など、ある程度の汎用性があり、普遍性がある業務に適しているといえます。こうした分野は比較的単純作業でありながらも、業務自体は永続的に発生するため、企業にとっては最もコストを削減したい分野だからです。

 

以上に述べたようにBPOにはメリットとデメリットがありますが、外部の専門家を戦略的に活用することによって自社の競争力の主力分野に人材や資源を集中させることができることに加え、非主力分野に配置していた固定的な人員を変動化し、企業規模・業績・外部環境に変化などに応じて柔軟にコントロールすることが期待できます。

中小企業においては、人材の確保・設備投資など、近年では国内だけですべての業務を行うことが年々厳しくなってきています。今後は限られた資源をどのように配置し、いかにして有効活用するのかを戦略的に考えていく必要があるといえるでしょう。 

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