【速報】ラブアン金融庁がIFS事業の受け入れに方針転換の見通し

お世話になります、BPO Link Labuanの渡邉です。

取り急ぎ、ラブアン金融庁がIFS事業の受け入れに方針転換したことをお知らせします。

今年2018年3月の時点では仮想通貨やブロックチェーン事業の受け入れについては「当該事業内容を記載した金融ライセンスの申請は一切受理しません」と消極的な姿勢を示していましたが、先週から一転、受け入れの方向に大きく舵を切ったことになります。

実際に、ここ最近ではブロックチェーンの技術開発事業者やICO事業者(トークン発行による資金調達)についても、ラブアン金融庁(LFSA)は法人設立の定款として受理がなされ、また当該事業内容を記載した事業計画書についても就労ビザの承認を積極的に認め、これらの技術力に秀でた人材をマレーシアに積極的に居住させる(技術力と頭脳を輸入する)方針で運用が行われています(※弊社では記載方法については極めて慎重にチェックを行い、適宜修正するようアドバイスしています)。

さすがにFinTechの躍進が世界的なトレンドになっている現状を認めざるを得ず、国益を損なうようであれば積極的に受け入れよう、という姿勢に変わったのだと思います。

(参考:「G20に見る暗号通貨の適法性の見解」)

以下、Labuan IBFCからのメッセージを抜粋します。

******ここから******

Dear yudai san,

The fast-changing technology-driven innovations in financial services also referred to as Innovative Financial Services (IFS), globally has led to many prospects expressing interest in providing IFS in Labuan International Business and Financial Centre.

革新的な金融サービス(Innovative Financial Services=IFS)と呼ばれる、急速な変化を遂げる技術革新の金融サービスの革命は、ラブアン国際事業金融センター(Labuan IBFC)では世界中にIFSを提供することに関心を抱いています。

The Authority has recently issued a circular on “Innovative Financial Services (IFS) in the Labuan International Business and Financial Centre” with the aim of guiding prospects that have interest in providing IFS in Labuan IBFC.

当局(ラブアン金融庁=Labuan FSA)では最近、Labuan IBFCにおいてIFSを提供することに前向きな姿勢を採る方針で、「Labuan IBFCにおける革新的金融サービス(IFS)」に関する回覧文書の発行を行いました。

The issuance of the said circular shows the Authority’s support in IFS and Labuan entities are welcome to use IFS as part of their business activities to serve their clients whether in, from or through Labuan IBFC.

IFSの事業については、当局(金融庁)は前向きに支援する方針を示しており、当該事業を行うラブアンの事業体は、ラブアンIBFCの管轄領域の内外を問わず、それらの事業活動の一環としてIFSを利用して顧客にサービスを提供することをとても歓迎しています。

Amongst others, IFS that can be offered include digital currency activities, robo-advisory services; blockchains or distributed ledger; insurTech; or any other IFS-related business.

とりわけ、IBFCが提供できる(であろう)IFSサービスとしては、デジタル通貨関連事業、ロボットによるアドバイザリーサービス、ブロックチェーン技術または分散型台帳技術(DLT)、保険技術、及びそれらに付随するIFS関連の事業が挙げられます。

Whilst the Authority encourages IFS to be conducted in Labuan IBFC, it is imperative that these activities are undertaken in an orderly and transparent manner.

当局はこれらのIFSサービスをラブアンIBFCで実施することを奨励していますが、これらの活動は適正な規制の下に正しく行われ、また透明性の高い方法で行われることが不可欠となります。

******ここまで******

上記を要約すると、ようするに何も具体的な中身が記載されておらず、「とりあえずやりながら軌道修正を行いましょう」ということのようです笑。本文中に「これらの活動は適正な規制の下に正しく行われ」と記載がありますが、そもそもガイドライン自体が存在していないのが現状です。

私の個人的な見解ですが、今回の方針転換についてラブアン当局の姿勢を大きく評価したいと思います。

まず、よくわからないけれど、とりあえずトレンドが発生している方向に進んでみること

② 次に、ケースバイケースで軌道修正を行うこと

さらに、うまくできるまで上記2.をひたすら繰り返すこと

まさにこの考え方はスタートアップ事業における基本原則であり、ラブアン当局自身がこれからスタートアップを行うことについて評価し、要請を求められれば、私もこれまでの知識と経験を以て当局に協力していきたいと思います。

私自身、IFS関連の事業に出資をしたり、実務を担当しながら思うことは、毎日がほぼ思い通りにうまく行かないことの連続で、やりながら軌道修正をしていくしかないということです。IFS事業のスタートアップを開始する方々は、このような状況を楽しめる方でないかぎり、IFSを本気で行う意思があるかどうかを再度検討してみてください。

私のところには日々多くの相談や依頼が入ってきますが、ほとんどがプライベートファンド形態など、既存の枠組みで十分に対応できる案件が多いように感じます。新しい枠組み、そもそもIFSはそれ自体の枠組みが定まっていないわけですから、想像以上の意志の強さと忍耐力で望む覚悟が必要です。そして何度もトライアル&エラー(試行と失敗)を繰り返しながら日々、軌道を修正していくことの連続です。

現在、ラブアン法人は多くのICO事業者の海外生活拠点の受け皿として使われておりますが(多くがクアラルンプール・ジョホールバルに集結しています)、ジョホール海峡を挟んだ対岸のシンガポールを始め、ヨーロッパのエストニア、ベラルーシ、マルタ、ジブラルタル、マン島、あるいはカリブ海のBVI(英領バージン諸島)、アフリカ投資への玄関口であるモーリシャスなどで当該事業が行われています。

現状報告として、ラブアンには極めて大きな機会損失が起こっていることをたびたび当局との協議で粘り強く交渉してきましたが、「ようやく重い腰を上げたな..」というのが正直な印象です。

もし、IFSサービスが近い将来、ラブアンの経済特区内で実現可能となった場合、これからはラブアン法人の子会社として海外法人を設立、そこで行っていたIFS関連の事業をラブアン単体で完結することになり、複雑なストラクチャー構築(ダブルコンビネーション構造など)も不要となり、スタートアップ企業の誘致がよりスピーディーにやりやすくなると感じます。

来週以降、IBFCとも具体的なガイドラインの制定等について協議を開始します、また進展あり次第情報更新を行います。

以上、実務現場より報告でした。皆さま、どうぞよい週末を。

※なお私自身、別会社にて各国の政府間交渉(G to G)などを担当しているため、IFS事業に興味がありましたら渡邉までお問い合わせください。なお、実体が伴わない事業活動につきましては一切のサポートをお引き受けすることはできませんので予めご了承ください。