マレーシアのプロベート対策

マレーシアの相続手続きには「プロベート(検認手続き)」と呼ばれる手続があり、遺産管財人や裁判所での清算処理が済んで、はじめて相続人に分配される仕組みになっています。

プロベート期間中は財産を自由に処分することができず、また多くの書類の提出(英文)が求められ、場合によっては相続人が何度もマレーシアの裁判所に足を運ぶ必要があります。当然ながら、その回数が多くなればなるほど、渡航費や通訳費用などを捻出しなければならず、費用とともに多大な時間を消費することにもなりかねません。

さらにプロベートの最大の問題点は、日本側の相続税の申告・納付期限が「相続開始後10ヵ月以内」となっているにも関わらず、「マレーシア側のプロベートに10ヶ月以上かかってしまい、期限までに納付できなくなってしまう恐れがある」ということです。プロベートでは、こうしたリスクを最小化するための仕組み作りが必要になります。

プロベート(検認手続き)の流れ
◇ 相続の申し立て
  • ・相続人から指名された遺産管財人がその旨裁判所に書面で通知をする
◇ 遺産管財人の指名
  • ・申し立てを受けた裁判所は遺産管財人を許可・承認をする
◇ 遺産調査と価格査定
  • ・遺産管財人が遺産の調査と価格の査定を行う
◇ 遺産の分割
  • ・遺産を分割する
◇ 名義書き換え
  • ・遺産を受け取った人が資産の名義書き換えを行う

マレーシアの相続は、当然ながらマレーシアでの法制度に基づいて手続きを進めていく必要があります。そのため、法制度が日本とは異なる相続手続きについて、マレーシアの法律に精通した専門家を探すことが重要になります。

しかしながら、日本とマレーシア双方の相続手続きに精通した専門家を確保することは容易なことではありません。さらに、国際相続に精通した税理士だけでなく、弁護士などの専門家も必要になることを考えると、さらにそのハードルは高くなります。


 

【マレーシアのプロベート対策はどうすべきか?】

弊社及び提携先の「スー法律事務所(SOO & CO.)」では、煩雑なプロベートを回避する方法として「遺言書の作成」+「委任状の作成」のパッケージサービスをご提案しております。それは以下のような理由によります。

プロベート対策サービスの概要
遺言書の作成 遺言書を事前に作成することにより、遺産を相続される方は、マレーシアに渡航したり、相続に長期間を要するという問題を回避することができます。さらに、(遺言書を作成しなかった場合に比べて)迅速に手続きを完了させることが可能となります(※遺言書があれば10ヶ月以内に手続きが完了する可能性が高くなりますが、必ずしも出来るわけではありません。リスクの最小化としてお役立てください)。

死後の手続きを最小化することが可能

委任状の作成 委任状(Power of Attorny)を事前に作成しておくことにより、依頼人が認知症・精神障害などで判断力が衰えた場合に備えます。なお、代理人の制度悪用を防止するため、依頼人はトリガー要件(執行条件)を柔軟に設定することが可能です。

生前の手続きを最小化することが可能

遺言書の作成について、オリジナル(元本・副本とも)は英文で作成、ご希望であれば日本語翻訳サービスも承ります[※1]。

マレーシアの相続法では、遺言書がない場合の遺産は「両親に1/4」、「配偶者に1/4」、「子どもたちに1/2」という配分になりますが、遺言書はこの規定に優先し、自由に遺産配分を決定することができます。遺言書は本人と配偶者ともに2部作製し、保管料は発生しません。なお、元本と副本の解釈に相違が生じた場合は、元本が優先されます。

委任状の作成について、委任状の効果を有効にするための執行条件を、①「医師の診断に基づき有効とする」、あるいは②「特定の医師の診断書のみを有効とする」など、非常に細かく指定することができます。また、生前に代理人に資産移転・譲渡手続きを行っておけば、代理人は依頼人の資産を管理下に置く事ができることになり、依頼人の死亡時にも依頼人名義の資産が代理人に自動的に移転されるため、プロベートは結果的に回避できることになります。

このように、弊社及びスー法律事務所では、お客様の意向に沿った財産の継承をサポートいたします。遺言書及び委任状の作成には一定の費用がかかりますが、プロベートにかかる多大な時間や煩雑な手間を考慮すると、検討してみる価値は大いにあると考えます。


 

【遺言書の作成について】(スー法律事務所作成)

遺言書の作成は、特に定期預金等の口座をマレーシア及び諸外国にお持ちの方、そして将来的に資産を海外に移すまたは海外にて資産を増やすことを計画されている方には特に必要であると考えられます。

作成ご依頼範囲として、遺言書作成と遺言書の作成及び保管の2通りの方法をご提案しております。

スー法律事務所の遺言書作成サービス
遺言書の作成 出来上がった遺言書の原本をご本人が保管するという方法
遺言書の作成及び保管 出来上がった遺言書の原本を当事務所が指定する保管所にお預かりするという方法

遺言書の作成とは、出来上がった遺言書の原本をご本人が保管するという方法であり、遺言書の作成及び保管とは、出来上がった遺言書の原本を当事務所が指定する保管所にお預かりするという方法です。後者の場合は副本をご本人にお渡しします。遺言者に万が一の場合には、執行人がマレーシアの裁判所に申し立てをする事(検認手続き)になり、その際には必ず「遺言書の原本が必要」になります。

そのため、原本を当事務所指定の保管所に保管することにより、原本の焼失や紛失等のトラブルを避けられ、より「安全性が高く」なります。更にこの方法を採用することにより、当法律事務所で手続きが進められますので、ご家族の、特に「心理的な負担が軽減」されると考えます。

こちらで作成する遺言書は全て英文となっております。遺言書を日本語に翻訳した文書をご希望の場合は、有料ではありますが、ご依頼を承ることが可能です[※1]。

※1 日本語はあくまでも翻訳サービスであるため、原本と副本は同内容となりますので相違はありません。日本語翻訳分は英語版に忠実に間違いがないように作成をしておりますが、万が一翻訳サービスでご依頼頂いた翻訳文と遺言書英語版の内容に相違点があれば、原本である英語版が優先されます

遺言書は、お客様が署名をした日から有効となります。そして万が一の場合は、指名された執行人がマレーシアの裁判所で手続きを開始することになります。裁判所での手続きには、遺言者に指名された執行人が当事務所を、執行代理として指名する事も可能です。

遺言書の作成をご決定されましたら、まずは遺言書を作成される遺言者の身分証明書(パスポートコピーで結構です)、そして遺言者が指名する執行人・相続人の身分証明書(パスポートコピーまたは運転免許証のコピー)をメール添付で送って頂けましたら早くに作成に取り掛かり、来馬された際にすぐにお渡しすることができます。

短い滞在期間の間に遺言書作成のご相談及び受け渡しをご希望の場合は、エクスプレス料金を別途で頂戴しております。お急ぎの場合はご利用を検討下さい。

遺言書を作成するにはまず、執行人(裁判所に申し立てをし、遺産を相続人に分配する者)と相続人(遺言者が遺した資産を相続する者)の指名をする必要があります。なお、執行人と相続人は同一人物でもかまいません。

遺言書で指名をする例としては、ご夫婦で遺言書を作成する場合—第1として配偶者を執行人及び相続人として指名、第2にお子様または身内の方を執行人及び相続人として指名、(お子様が複数人の場合は、相続は第2、第3と順に指名するか、または全てのお子様に均等に配分する選択も可能です。)

別例として、配偶者及びお子様を全員第1相続人として指名し、全て均等に配分をする事も可能です。遺言書は、「ご自身の資産をどうしたいのかを明確にするもの」です。どのような遺言を遺すのかは、ご自身で決定できます。

遺言書を作成するメリット
・「本人の意向に沿った財産の継承を実現」することが可能。
遺言書を保管するメリット
・保管所に保管することにより、原本の焼失や紛失等のトラブルを避けられ、より「安全性が高く」なる。
・すべて法律事務所で手続きが進められるため、相続人の「心理的な負担が軽減」される。

 

【委任状の作成について】(スー法律事務所作成)

名義人が生存中であっても精神的・肉体的にダメージがあり資産の管理が出来なくなった場合に、予め指名をしておいた代理人が代わって名義人の資産を管理・運用する事ができる「委任状(Power of Attorney)」という制度があります。代理人はこの委任状を持って口座のある金融機関に直接出向き、資産を代理人の管理下に置く事ができます。

またこの委任状のもう1つのメリットは、資産の移動・譲渡を先に行っておけば、そののち万が一名義人が死亡し、遺言書に切り替わっても名義人の資産がすでにない状況になるので、「裁判所での検認手続きは必要なくなる」というわけです。

プロベートの回避スキーム
◇ 委任状の作成
  • ・依頼人が代理人に委任状を作成する
◇ 委任状の有効化
  • ・設定した発動要件をクリアした場合、委任状が有効となる
資産移転・譲渡手続き
  • ・依頼人が代理人に資産を移転・譲渡し、代理人名義に変更される
◇ 依頼人の死亡
  • ・遺言書が有効になるが、依頼人名義の相続財産がないためプロベートが不要となる

単独名義の口座を持つ方、不動産をお持ちの方には強くお勧めしております(不動産の名義が共有名義であっても単独名義であっても、売却時には、購入時に署名をした者の署名が必要になります)。

ご希望であれば、お受け渡し時に一緒に署名を頂き、裁判所に登録を行い、その期間内に登録を終え戻ってくれば直接お渡しするか、日本のご住所まで郵送を致します。

委任状を作成するメリット
・本人が認知症・精神障害などで判断能力を失った場合でも、代理人が「本人の意向に沿った財産の継承」を代行してくれる。
・生前に依頼人名義の資産を代理人に移転させることで、「プロベートを回避」することが可能となる。

 

【富裕層向けの贈与税・相続税対策】

ここまで、マレーシア側のプロベート回避スキームについてご説明しましたが、一定以上の資産を保有されている方にとっては日本側の贈与税・相続税対策も併せて検討する必要があると考えます。

弊社BPO Link Labuan Co., Ltd.では日本側の贈与税・相続税対策を検討されている皆さまに対し、以下のようなサービスを提供しております。

マレーシアのプロベート対策 ・ 日本の相続税対策
不動産(土地・建物など) ・合有不動産(Joint Tenancy)
・生前信託(Living Trust)
・法人名義で資産を保有(Holding Company)
動産(預貯金・有価証券など) ・共同名義口座(Joint Account)
・法人名義で資産を保有(Holding Company)
・生命保険(Life insurance)

マレーシア居住者の方は法人や信託名義で資産を保有することにより、「プロベートの際に個々の財産ではなく、株式として分配を行う」、「相続人に役員報酬として支払うことで相続資産を減らす[※1]」といった効果が期待できます。遺言書の作成と併せて弊社サービスの活用をご検討いただければ幸いです(※マレーシア法人・ラブアン法人のいずれでも同様のスキームを構築できますが、用途に応じて使い分ける必要があります)。

※1 役員(Officer)として役務の提供を行っている事実を証明する必要があります

生前贈与対策・相続対策を検討されている方は、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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